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MacBook Pro 2016がTimeMachineバックアップ中にクラッシュする問題について

 MacBook Pro 2016(タッチID、13インチ)を使い始めたのですが、外付けHDDへ大容量のデータを送ろうとするとクラッシュする現象が発生していて、TimeMachineバックアップが取れず、苦労しました。
 いろいろ試した結果、バックアップに1回成功するに至ったので、記録しておきます。
 ずっと安定して動いてくれるかはまだ分かりませんが、現在のところ分かったのは、TimeMachineにかぎらず大容量のデータを外付けディスクに転送しようとするとクラッシュする現象で、OS Xの上書きインストールをしたら安定化したっぽいです。

TimeMachineバックアップ作成中にクラッシュする問題

 振り返るとまず、以前使っていたMacBook Airで作成していたTimeMachineバックアップから、移行アシスタントで環境を移行してこのMBPを使い始めました。OS XのバージョンはSierraの10.12.6です。
 もともとMBAのTimeMachineバックアップが入っていた外付けディスクを、Eraseで空っぽにして、MBPで使うことにしました。バックップを消してしまうのはリスクありますがw、もともと別にiMacも使っていてだいたい同じ環境になっており、そっちはそっちでTimeMachineバックアップがあるので、何かあればそれを使って環境を復旧すればいいと思ってました。


 で、空っぽの外付けHDDを繋いで新たにMBPのTimeMachineバックアップの作成をイチから開始したんですが、全体で450GBぐらいあるうちの、100GBとか150GBとかまで転送が進んだころに、突然クラッシュして電源も切れてしまうという状態に陥りました。何度も試したんですが、データの転送途中に画面が固まって、数十秒後にシャットダウンし再起動するという感じです。
 再起動後に、外付けHDDに関して"Disk Not Ejected Properly"という通知が通知センターにでる時もありましたが、出ない時もあったと思います。また、再起動後に不具合のレポートを送信するかどうか聞かれるのも、聞かれるときもあったし聞かれないときもあったと思います。
 百GBとか転送した後にクラッシュが起きるわけですが、その後でもう一度転送を試みると、もっと早い段階ですぐまたクラッシュするという感じでした。"/Library/Logs/DiagnosticReports"に入っているレポートを確認すると、WindowServerのCrashとか、kernel panicの記録がありましたが、私はそれを読んでもよく分かりません。


 ネットで検索すると、日本語の記事では
MacBook Pro Late 2016がクラッシュし続ける不具合はUSBの消費電力などが原因? | AAPL Ch.
MacBook Pro Late 2016がTime Machineバックアップ作成時にクラッシュし続ける不具合が確認される。 | AAPL Ch.


 というようなのが出ていて、私と同じようにMBP2016のクラッシュを経験した人がそれなりに居るような感じです。
 記事では、Timemachineにかぎらず大容量のデータを転送しようとするとクラッシュするといったことが書かれており、私の場合もそのとおりでした。数十GB程度のファイルを外付けに保存しようとすると、同じくクラッシュしてしまいました。
 ただ、きっちり検証してないし記憶も曖昧なのですが、ファイルストレージとして使っていた外付けHDDから大きめのファイルを「取り込む」ことはできたと思います。何GBだったかは忘れましたが。また、最初に外付けHDD上のTimeMachineバックアップから移行アシスタントで環境を読み込むことには成功しています。


 上記の記事では、つなぐ外付けディスクを1つだけにすれば安定するとか書かれていますが、私の場合はダメでしたね。
 以下、試したことを列挙すると、

  • USB-AからUSB-Cへの変換アダプタに問題があるかのような情報も出ていたので、アダプタを変えてみたり、アダプタで中継するのではなく外付けHDDから一本でつなげるUSB-Cケーブルを使ってみたりした。
  • 外付けHDD自体の問題かと思い、新しいのを買って試してみた。製品は、Appleオンラインストアで買えるLacieのもの。
  • USB-Cポートは、他のポートも試してみた。
  • 外付けHDDを、Erase(日本語だと「フォーマット」かな)してからバックアップを試してみた。


 これらは全部、効果なしでした。

サポートに電話

 この段階で、Apple Careのサポートに電話しました。「スペシャリスト」という肩書のお姉さんが対応してくれて、「この現象はネット記事にも出ているようですが」とは伝えましたが、「内部の記録を調べた限り、該当のMBPモデルでTimeMachineバックアップの作成中にクラッシュするという問題はこれまでのところ報告されていない」とのことでした。
 で、問題の切り分けのためにいろいろ試すよう言われて指示に従いました。順番は忘れましたが、

  • セーフブート
  • NVRAMリセット(起動直後にoption + command + P + Rを20秒押す)
  • SMCリセット(電源を切って、shift + control + option + 電源ボタンを10秒間押す)
  • 新しくMacのユーザ(Admin権限)を作成し、そのユーザでログインしてバックアップ作成(ユーザデータが悪さしている可能性があるかららしい。なおTimeMachineは全ユーザのデータをバックアップしてくれるので、どのユーザでログインしていても良い)


 これら1つ1つを行ったあとにTimeMachineバックアップを作成するというのを繰り返したんですが、全部ダメでした。
 ここまできて、サポートのお姉さんからは、「こうなると、あまり気軽に進めたくはない手段なのだが、OSの上書きインストールを試してみてほしい。それでもダメだったら、クリーンインストール。さらにそれでもダメならハードの不具合なので修理又は交換」と言われました。
 お姉さんは、私がこのMBPで一度もバックアップ作成を行っていないということを知っているので、OSの再インストールはあまり進めたくなかったようです。「上書きインストール」ならユーザデータ・設定はそのままでOSだけ入れ替わるらしいのですが、やってる最中に何らかの事故が起きる可能性もあるのでバックアップをとってからやるべきだし、クリーンインストールしてしまうとそもそも全部消えますと。


 しかし私の場合、無くなったら困る手持ちのデータは、DropboxEvernoteにほぼすべてを集約してるのでクラウドで保管されているし、その他大容量の動画データ等は保管用の外付けHDDに入れてあるのでこのMBPとは関係ありません。MacBookの中にしかないデータで無くなったら困るもの(TimeMashineのバックアップに頼っていたもの)といえば、iTunesのライブラリとPhotos(写真)のライブラリがありましたが、Photosのほうは最近iCloudに全部アップしたところだったので大丈夫。あとはiTunesだけです。
 アプリケーションをまたダウンロードしてインストールしたり、様々な設定をするのは面倒ですが、データが失われることに比べればべつに大した害ではない。


 というわけで、iTunesのライブラリさえ外付けHDDとかに移しておけば、安心してOSの再インストールができます。ところが、まさにその「外付けHDDにデカいファイルを転送すること」自体ができないわけなので、iCloudのストレージを2TBのプランにして、そこにiTunesのライブラリを移動(MBP上にライブラリは存在し、iCloudにもそのコピーが保管され同期される)して、元あったディレクトリからシンボリックリンクを張ることにしました。

OS Xの上書きインストール

 で、このページに書いてある「インターネットから最新バージョンの macOS をインストールする」をやってみて、その後にまたTimeMachineバックアップを試みました。
 バックアップを開始して寝床につき、起きて確認したらまた"Disk Not Ejected Properly"の通知が出ていたので、たぶんまたクラッシュして再起動したんだろうと思いました。データは3分の1ぐらい(100GBちょい)転送済みでした。


 あぁもう、クリーンインストールしかないかな……と思ったのですが、念のためもう1回トライしてみることにしました。
 これまでに起きている現象は「データ転送開始してしばらくするとクラッシュする」なわけですが、TimeMachineバックアップの作成は、中断した場合は再開すればまた途中から開始してくれるみたいなので、続きからバックアップ作成させてみました。
 そしたら、なんか意外とスムーズに転送が進んでいきました。これまでの経験では、一度クラッシュすると、その後にまた転送を試みてもすぐまたクラッシュするという感じだったのですが、今回は順調にまた100GBぐらい転送できてました。
 このまま、クラッシュなしでバックアップ作成完了までいけるかどうか試してみればよかったかもしれませんが、「連続で長時間やると不安定」なのかもしれないので、念のため、いったんバックアップを中断してMacを再起動してから一度再開させました。とりあえず1回はバックアップ作成を完了させたかったので…。
 結果的には、2回ぐらい中断→再起動→再開を繰り返しましたが、一度もクラッシュすることなく完了できました。また、90GBぐらいあるPhotosのライブラリを外付けHDDに転送してみたんですが、これはノンストップで完了できました。


 まぁ、OSの上書きインストールをしたあとも、少なくとも一度はクラッシュしたっぽいです。また、その後は中断・再起動をはさみながらバックアップ作成したので、連続的に400GB超のデータを転送するという場面でも正常に動いてくれるのかは分かりません。
 が、とりあえず、相対的に「安定化した」ことは間違いない感じです。このまましばらく、様子をみてみようと思います。